自律的に学習し“成長”してくれるという意味で、Whizに魅力を感じています

  • グローブシップ株式会社 様

グローブシップ株式会社 様

人手不足解消の切り札、「AI清掃ロボット」で最も重要なこと

2019.06.10 ビジネス+IT

いま世の中で最も浸透しているサービスロボットといえば、やはり清掃ロボットだろう。すでに家庭には多くのコンパクトな清掃ロボットが普及している。ビル管理のパイオニアであるグローブシップは、先ごろソフトバンクロボティクスの業務用AI清掃ロボット「Whiz」を試験的に導入し実証実験を行っている。同社は、これまでも多くの清掃ロボットを導入してきたが、どのような視点で製品を選んでいるのだろうか。

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労働力不足解消の切り札、「清掃ロボット」で最も重要な要件

子高齢化が進む中で、ビルメンテナンス業界も労働力不足が深刻化している。そうした状況で、ビル管理のパイオニアであるグローブシップにとっても、いかに省人化と効率化を進めるかが大きな課題となっている。

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    65年以上の歴史を持つグローブシップ。オフィスビル、学校教育施設、商業施設など数多くの管理実績を持つ。

  • Whiz

同社では、以前からその解決策として、清掃ロボットを現場で試験的に導入してきた。これまで3年をかけて、さまざまな清掃ロボットを比較・検討し、そのノウハウを蓄積している。そして技術の進展を踏まえ、先ごろ最新の清掃ロボットの実証実験に踏み切った。
それがソフトバンクロボティクスから発表されたばかりの「Whiz」だ。計10台を同社が管理する複数のビルに適用する予定だ。
清掃作業とひと口に言っても、窓ふきや床の掃除、さらにゴミ取りから、水拭き、から拭きなどさまざまなシーンが挙げられるが、今回は建材の中でも最も多く利用されているカーペットやタイルのゴミ取り(除塵)を中心として実験が行われた。グローブシップでロボット特任プロジェクトを担当する田中義康 氏は、次のように説明する。
「清掃ロボットで最も重要なのは“現場で使いやすい”ことです。以前のロボットは、清掃ルートを設定するにも、PCやタブレットを利用していましたが、現場では端末を持って作業できません。従業員が何のデバイスを持たなくても、清掃ルートをロボットにティーチングできることが重要なのです」(田中氏)

  • 手押しでティーチング
  • グローブシップ ロボット開発プロジェクトチーム 田中義康 氏

    グローブシップ ロボット開発プロジェクトチーム
    田中義康 氏

Whizは清掃したいルートを手押しでティーチング(ロボットを動かすプログラムを作成すること)でき、記憶したルートを自動で清掃してくれる。複数のルートを記憶することも可能だ。
現場にはパートや高齢の従業員も多く働いている。彼ら・彼女らがいきなりタブレットを駆使してロボットを扱うのはハードルが高い。Whizならばデジタルリテラシーが高くない従業員でも、直感的に操作してルートを教えられる。
Whizは、光を用いて遠距離にある対象までの距離を測定するLIDARセンサーと3Dカメラ、段差センサーなどを搭載しており、障害物や段差を回避できる点も特徴だ。安全面も配慮され、突然、人が前に飛び出てきても一時停止する。衝突検知用センサーはバンパーに内蔵され、異常ブレーキ機能なども搭載。何らかの原因でロボットが緊急停止したり、走行できなくなったりすると、ブザーやスマホのアプリでアラートを通知する。

  • 手押しでティーチング

    手押しでティーチングを行う

  • スタートボタンを押せば、ティーチングしたルートを通って清掃する

    スタートボタンを押せば、ティーチングしたルートを通って清掃する

学習しながら人のように成長していく清掃ロボット「Whiz」

実はソフトバンクロボティクスは、これまでも清掃ロボットを発売している。Whizよりもサイズが大きく、工場や商業施設、空港などに適用できる自律走行式スクラバーの「RS26 powered by BrainOS」だ。独自のAI清掃が可能なOS「BrainOS」を搭載している点が特徴だが、このWhizも、同様にBrainOSを搭載している。
「BrainOSはバージョンアップが予定されており、使えば使うほど賢くなって、これまで難しかったことが可能になっていく、と聞いています。たとえば机と机の間にイスがあると、Whizはイスのハミ出しを認識し、その周りを掃除しますが、その動作がよりスムーズになっていく可能性があります」(田中氏)
グローブシップが求めている清掃ロボットの将来像は「一人工(いちにんく)」、つまりは、一人の人間と同じように自律的に動いて、掃除をして、帰還していくという理想の形だ。

  • グローブシップ ロボット開発プロジェクトチーム 田中義康 氏
  • 「しかし現状では、人のように賢くなっていく掃除ロボットは、まだそれほど多くはありません。我々も、更新するたびにコストをかけられないため、ロボットが自律的に学習して“成長”してくれるという意味で、Whizに魅力を感じています」(田中氏)

さらに、重量やサイズを考慮に入れた可搬性やコスト面も、同社の希望にかなうものだった。Whizは一般的な業務用の掃除機とほぼ同サイズで、外形は約455×474×653mm(幅×全長×全高)、重量もバッテリー込み約35kgと手押しでの移動も苦にならない。
もちろんパフォーマンスにも優れ、1回の充電で最大3時間(ノーマルモードの場合)の稼働が可能で、約1500平方メートル(1時間あたり500平方メートル)の清掃面積をカバーする。またWhiz正規販売代理店であるソフトバンクでは、2019年3月からレンタルプランも開始。60カ月の貸し出しで月額2万5000円(手数料9800円が別途必要)というレンタル料金は、かなり“お手ごろ”と言える。

現場のヒトと清掃ロボットがコラボして効率的に作業する時代に

このように清掃ロボットとして、Whizは非常に魅力的な機械といえるが、実際に導入する場合は、受け入れ側でもそれなりの準備が必要になると、田中氏は次のように述べる。
「清掃ロボットを大量に導入する際には、インフラ整備も求められます。たとえば、サービス品質につなげるマニュアルなども、しっかり整備することが大切です。清掃ロボットは、ロボット単体で完結するものではありません。これからは、ロボットが現場の人とコラボレーションしながら作業する時代になるでしょう」(田中氏)
現在は、作業員のシフトを作って、各タスクをローテーションしているが、将来的にはロボットと人の計画的なシフトも検討しなければならない。そういうことに対応できるマネージャーも必要になるという。

  • 「Whizは床掃除が得意なので、床掃除をしている間に、作業員がトイレ掃除などの細かな部分に対応すれば効率も上がります。清掃ロボットのメリットは、作業にムラがなく、品質に対して常に均一な数値を出せることです。その一方で、人の手でやったほうが良い部分もありますから、将来的にはロボットとの共同作業がどんどん増えていくと思います」(田中氏)

  • グローブシップ ロボット開発プロジェクトチーム 田中義康 氏

また、Whizのサポート体制について田中氏は、「ソフトバンクは比較的サポート体制が整っており、信頼に足るものと考えています。想定外の事態が発生した際には、我々もすぐに連絡できる体制を整えています」と話す。

先端テクノロジーで業界をリード、若い世代にも魅力的な業界へ

Whizは、バージョンアップを繰り返しながら今後も進化を続けていくだろう。グローブシップでは、ロボットを使う側の立場から、ソフトバンクロボティクスに対して、実証実験から分かった改善点の要望も出しているという。
「性能面での大きな要望はなく、現場でもこれといった不満はありません。細かい部分では、たとえば取っ手を持ち上げる際にアジャストのストッパーがあるとうれしいといった意見がありました。これからも現場の声を吸い上げていきたいです」(田中氏)
ロボットは運用が重要である。特性に合わせた適材適所での導入が求められるが、Whizには幅広い利用シーンに対応できる可能性がある。グローブシップでは、オフィスでの実証実験だけでなく、学校や工場などにもWhizを適用できるかどうか、継続的に調査していく構えだ。
最後に田中氏は、今後の抱負を次のように語った。
「清掃業界は高齢者が多く、若い世代は少ないのですが、こういった先進的なロボットが普及することで、若い世代にも魅力を感じていただきたいと願っています。運用も含め、これから清掃ロボットをより実用的なものにしていくのは、我々ユーザー側の仕事だと考えています」(田中氏)

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