Whiz2台で作業を組み立てると
半分の時間でできるかもしれない

  • グローブシップ株式会社 様

グローブシップ株式会社 様

“Whizと人”の協働で切り拓く ビルクリーニングの新しい世界

2019.06 ビルクリーニング

Vol.1 グローブシップ株式会社

ソフトバンクロボティクス(株)の業務用バキューム式AI清掃ロボット「Whiz」の先行導入を決めた企業に、使用感や効果、今後の展望を聞くタイアップ企画。第1回目は、独立系大手ビルメンテナンス企業であるグローブシップ(株)を訪れました。すでに10台の導入を決定し、同一現場に複数台を動かす構想を練っている同社プロジェクトチームの評価とは……?

業界に衝撃を与えたWhizのデビュー

昨年11月、ソフトバンクロボティクス(株)が発表した バキューム式AI清掃ロボット「Whiz」は、清掃業界に衝撃を与えた。タイルカーペットなどに対応した除塵機タイプの清掃ロボットであること、さらには日本の清掃現場のニーズにフィットするコンパクトサイズであること、斬新なデザインなど、従来の清掃ロボットの規格に比べて目新しさが際立ったからだ。
清掃ロボットは、床洗浄機タイプのものが多く、なおかつ海外からの輸入品が中心であるため、サイズが大きかった。一方、「Whiz」は同社が提供する「AI清掃 PRO」シリーズ第2弾として誕生した小型の清掃ロボットである。

  • ・もう少し小さい掃除機タイプのものが欲しい
  • ・カーペット清掃を自動化させたい
  • ・家庭用の清掃ロボットだと現場が広すぎて終わらない

ユーザーからのそんな要望を集め、一般的なオフィスビル、商業施設でも手軽に導入できる清掃ロボットの開発を進めてきた。
そして何よりも、清掃ロボット導入のハードルをぐんと下げた料金設定が話題を呼んだ。本体とAI清掃PROのライセンス料込みで、5年のレンタル契約、月額2.5万円*。万が一、故障しても、新しいものを提供するというサービス形態になっている。パート従事者が集まりにくい現状で、人件費、求人募集費を考えれば、その代替として十分に費用対効果が期待できる。
業界の独立系大手企業であるグローブシップ(株)も、その魅力や将来性を感じ取り、デモによる検証を通じて早速10台の導入を決めた。
*自動運転の基本システム「Brain OS」のライセンス料、ならびに保守サポートや通信ネットワークを含むサービスプラン (ブラシやごみ収納パックなど消耗品代を除く)

性能が一段ずば抜けている

  • 65年以上のビル管理の実績がある(株)ビル代行と日本ビルサービス(株)が経営統合し、業界屈指のリーディングカンパニーとして生まれ変わったグローブシップ。古くは独自に清掃ロボットを開発するなど、長年にわたりロボット化の動向に関心を寄せてきた。そして今日の深刻な人手不足と人的コストの上昇を前にして、2017年に「ロボット開発特任プロジェクトチーム」(以下、ロボットPT)を発足させた。

  • グローブシップ(株) 安全品質推進部清掃品質課長 鈴木悟氏(ロボット開発特任 プロジェクトチーム)

    グローブシップ(株) 安全品質推進部清掃品質課長
    鈴木悟氏(ロボット開発特任 プロジェクトチーム)

最初に取り組んだのは、清掃ロボットの導入に対する現場スタッフへのヒアリング調査だった。そこでは、「人手不足対策に役立つなら、現場作業者はロボットの導入を前向きに捉えている」との結果が得られた。
また、(公社)東京ビルメンテナンス協会の調査研究小委員会にも参画し、当時市場に出回っている国内外の業務用清掃ロボットの性能検証を約5か月間にわたって行った。その成果を『清掃ロボットの実証実験報告書』として取りまとめ、各社の清掃ロボットを点数化した。
同協会調査研究小委員会の小委員長を務め、ロボットPTの中心メンバーである安全品質推進部清掃品質課の鈴木悟課長は今年1月、他社でデモを行っていた「Whiz」を視察。従来の業務用清掃ロボットと比べて「性能が一段ずば抜けている」と直感した。
翌月には本格的に実証実験を開始。1週間ほどの短期間だったが、その評価は「予想通り」のものだった。

リーディングカンパニーの評価

・検証結果1 ・操作性

「Whiz」は、ティーチングプレーバック方式(以下、ティーチング)を採用している。まず、伸縮可能な手押し式のハンドルを握り、一般的な手押し式スイーパーを操作する要領で、1回目は普通に人が清掃を行う。すると、瞬時に走行ルートを作成し、2回目からはそのルートをなぞるように自律走行する(次ページ写真)。煩雑な操作がなく、すぐにルートの再設定も行える。つまり、通常の清掃機器を使うことができれば、だれでも容易に操作できるのだ。
鈴木課長は「現場スタッフは他の作業で忙しいので、なるべく手間がかからないように、というのが要望です。その意味で、ボタン一つで操作できることが重要です」と、その利点を現場目線から評価した。

簡単5ステップで「Whiz」が自律走行するまで

  • 01 ルート作成をスイッチ

    01 ルート作成をスイッチ

  • 02 ハンドルを引き上げる

    02 ハンドルを引き上げる

  • 03 自走でティーチング

    03 自走でティーチング

  • 04 ルートを作成&保存

    04 ルートを作成&保存

  • 05 作成ルートを自律走行

    05 作成ルートを自律走行

・検証結果2 ・センサー

自律走行の肝となるセンサーについては、「Whiz」本体に自動運転の車などにもある「LiDAR」が下部に付いていて、長距離に電波(=レーザー)を飛ばし、そこで 対象物を感知する。また、上部には3Dカメラが搭載されていて、より近い範囲を正確に把握することができる。この2つを組み合わせることで、障害物などを認識し、安全で確実な自律走行を可能にしている。
この特性は、清掃現場のイレギュラーにも柔軟に対応することができる。例えば、ルート作成時に置かれていなかった障害物があった場合、一般的な清掃ロボットでは停止し、エラーとなる事象を人が取り除かなければリスタートすることができない。
一方、「 Whiz 」は障害物を各センサーで感知し、迂回ルートを選択する。人の手を介さずともリスタートすることができるため、最後まで安全に、そして確実な清掃を行えるのだ。

・検証結果3 ・作業効率

では、実際の作業はどうか。自社のオフィスで行った実証実験では、あえて什器類が多くある200m²ほどの専用部で検証した。人による作業では、準備や片づけを含め、除塵作業に約25分を要するというが、それに対して「Whiz」による作業は作業時間が3割減となった。
ただし、椅子のある机まわりなどは除くため、「“Whiz” ができる範囲をきっちり決めて、人がやるべきところと分けることが必要で、その代わり平米数が増えた場合、“Whiz”2台で作業を組み立てると半分の時間でできるかもしれない」と、実作業者の負担が軽減し、全体の作 業効率が向上するとの結論を得た。
吸塵性能の面でも、ロボットが均一な吸塵ができることを確認した。

品質の考え方が変わる

人の作業は、作業者の技能レベルやその日の心理状態、多忙な状況によって、どうしても作業にバラツキが生じてしまうが、「Whiz」はひたすら一定の作業を行うため、作業効率、作業品質ともに一定の成果が見込める。しかも、LTE回線によって、作業終了後に作業レポートが送られるため、仮にイレギュラーが発生しても、実施できなかった箇所を的確に報告するため、作業漏れの心配がない。
こうした見える化によって、現場作業者が作業の結果を認識できる仕組みはとても有効だ。

  • グローブシップ(株) 安全品質推進部清掃品質課長 鈴木悟氏(ロボット開発特任 プロジェクトチーム)
  • 「品質の考え方にも影響が出るでしょうね。この50年間、清掃現場はプロセスを重視し、この手順でやればこれだけの品質が保てるだろうとの推定のもと、業務を実施してきました。見える化によって、逆にオーナー側から品質を問われることになるかもしれません」
    そうならないためにも、「お客様に正確なデータを示し、選択肢を提示する姿勢が必要」というのが、ビルクリーニングの歴史に詳しい鈴木課長の考えだ。

「目に見えるかたちでの品質を提示できるというのがこの業界の何十年もの課題でした。例えば、回収したゴミの量を示してこれだけきれいになりましたと数値で説明すること、すなわちエビデンスを残すことで、この業界はかなり変わるのではないかと思いますね」

人とロボットが協働する

グローブシップが導入を決めた10台の「Whiz」は今後、学校や商業施設、アミューズメント施設などで稼働させるという。
「1フロア500m²以上、バリアフリーという条件があれば運用可能だと思います」
しかも、複数の「Whiz」を動かしながら作業の効率化を図っていくという。そのために同社は、「ロボットのスケジュール表」の必要性を強く感じている。
「Whiz」ができる範囲を決めて、それ以外の難しい箇所は人がやる。そうした人とロボットが協働するための運用方法を模索している。オフィス内を実証実験の場所に選定したのも、そうした運用を想定しているためだ。
手軽に導入できる反面、運用のためには専門的な知識が必要となる。ここはロボットが使えるか否かの判断は人でなければできない。これはどのロボットにも共通するが、今後は管理者教育が重要になっていくはずだ。

働く人の負担を減らす

とはいえ、「Whiz」の料金設定は、初期投資が低くリース料も手ごろである分、オーナー側の導入も進むのではないかと考えられる。あるいは、人からロボットに置き換わるとなると、当然仕様書や価格の見直しに直結するのではないかとの見方もある。

  • 「人かロボットかという論争は、じつは30年前からあります。実際、明確な答えは出ていません」
    そうした発想よりも、ロボット導入によるメリットを前面に押し出すことが大事だと鈴木課長は指摘する。品質の状態をお客様にわかりやすく示すことだけでなく、 作業者の負担を減らすこともメリットの一つといえる。「ロボット化によって、作業者がもっと楽に作業ができるような業界になれたらと思います」

  • グローブシップ(株) 安全品質推進部清掃品質課長 鈴木悟氏(ロボット開発特任 プロジェクトチーム)

知性、すばやさとともに、「人と共に」という意味が「Whiz」という名には込められている。人がロボットと協働し、いきいきと働くビルクリーニングの世界が、もしかしたら目前に迫っているのかもしれない。
そして、清掃ロボットの普及が進むことによって、若手人材が数多く集まるような、魅力ある業界になることを期待したい。

  • グローブシップ株式会社
  • 1950年代、日本のビルメンテナンス業の黎明期に創業した「ビル代行」「日本ビルサービス」。
    業界を牽引してきた2つの企業を統合し、2015年4月1日、グローブシップが誕生した。
    売上高 > 約921 億円(グループ全体)  従業員数 > 約19,000名(グループ全体)

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