除菌清掃ロボットが当たり前の未来へ向けて
- 公共施設
- 清掃品質の維持・向上
- 営業力強化
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広島県公共施設 様

学校・病院など、さまざまな施設のビルメンテナンスを請け負っている株式会社第一ビルサービス。広島県の公共施設の清掃業務に、業務用除菌清掃ロボット「Whiz」が導入された。公共施設という多くの人が往来する場所で、いかにして導入され、活用されているのか。現場責任者である田原氏、井上氏にお話を伺った。
課題
- ①会社としての強み作り
- ②除菌清掃ロボットを活用できなかった経験
効果
- ①他社との差別化+お客さまへの提案力強化
- ②マニュアル化によりシフトを2名⇒1名へ
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〈会社概要〉
株式会社第一ビルサービス
1963年設立。ビルメンテナンスを始めとしてプロパティマネジメントや商業施設の管理運営など、中四国エリアのさまざまな建物の管理を請け負う総合管理会社。(右)第一ビルサービス 業務管理本部 田原大輔氏
(左)第一ビルサービス 業務管理本部 井上靖隆氏
業界紙ですでに登場していたWhiz
まずは、Whizを知った経緯について伺います。どちらでご覧になりましたか?
- 田原氏
- 業界紙で一度目にしていました。そのときは概要だけだったので、具体的な仕様や詳しい提案は、営業の方からです。
2月から放送している広瀬すずさんのCMはご覧になりましたでしょうか?
※取材時2020年2月に放送
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- 田原氏
- 実は見てなくて。今回の取材があるよって職員に話したときに、CMをやっていることを知りました。でもCMのような広告はバシバシやってほしいです。今後お客さまのところへ行ったときに、「ウチには広瀬すずの出てるアレありますよ」と言えるので。
ロボットを導入しているという強み
導入の背景について伺います。やはり人手不足の影響を感じていらっしゃるのでしょうか。
- 田原氏
- そうですね。ビルメンテナンス業界は時給が高いわけではないので、求人を出しても応募がないことがあります。そういった現状は将来的にも続くので、会社として新しいことにチャレンジをしなくては、という風向きがあります。
ロボットの導入ほど新しいこともなかなかないですよね。
- 田原氏
- 試験的な導入という意味合いも強かったです。他社に先駆けて早めにやっていきたいという思いはもちろん、お客さまへの提案の選択肢が増えるという魅力もありました。「除菌清掃ロボットを道具のひとつとして導入している」ことは、会社として大きな強みになると考えました。
チャレンジということで、導入の決定は難航したのでしょうか。
- 田原氏
- コストの部分で、どれだけの削減になるかは争点となりました。本当はもっと長く試用期間でレンタルして効果を試したかったのですが、1日しか試すことができなくて(※現在は無料トライアル期間の設定あり)。そこでのデータを参考にシミュレーションしました。そのシミュレーションでは大幅な削減という結果にはならなかったのですが、会社の風土が新しいものへチャレンジすることに積極的だったこともあり、導入が決まりました。ただ、導入後に改めて検証したところ、コスト削減には繋がっていました。
お客さまからの反応はどうだったのでしょうか。
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- 井上氏
- 非常に理解を持っていただいている施設の方ですので、こういったものはどんどん試してほしいというスタンスでした。清掃中にも興味を持っていただいています。「すごいですね」と声をかけてもらったり。
他社製品は運用が難しかった
以前にも、業務用除菌清掃ロボットを導入されたことがあるようですね。
- 田原氏
- 1台導入しましたが、なかなか活用できず購入しただけになっていました。当時は広島県の大型商業施設での運用を考えていたのですが、センサーや警備の関係で夜間には動かすことができませんでした。
比べるとWhizはいかがですか?
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- 井上氏
- 使う前は、ロボットというと難しくてたくさん覚えないといけないというイメージがありましたが、操作自体わかりやすいものでありました。実際に使っている職員に教えるのも、簡単だなというのはすごく感じました。
現場の方はいかがですか?
- 井上氏
- 当社ではベトナム人実習生に働いてもらっています。使い方を教えると、早く理解してくれました。そういった点でも、簡単で操作がわかりやすいです。使う職員に配慮して導入は難しいのではという懸念もあったのですが、外国人実習生でも使えるというのは前向きに捉えられることだと思います。
2名から1名+Whizの体制に
導入前と導入後では、体制などの変化はありますか。
- 田原氏
- これまでは2名体制で、1.75時間の作業をしていました。昨年11月に導入して、それから3ヵ月ほどは、試行錯誤を重ねました。どのエリアをどの道順でコース作成するのか。清掃をやり残しているところはないか。やっていない箇所がちゃんとなくなるか。それらを考えるのは正直苦労しました。そのあと2名+Whizといった体制の期間も経て、特定の曜日にはなりますが、今では1名+Whizの体制で清掃しています。Whizの稼働時間は1~1.5時間です。
大きく体制を変えるとなると、マニュアルなどの整備が必要になってくるかと思います。そのあたりはいかがでしたか。
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- 田原氏
- 試行錯誤の期間では、Whizができるところとできないところの住み分けも検証していました。実際に動かしてみて、それをマニュアル化していったりしました。
Whizと人の住み分けはどのようにされたのでしょうか?
- 井上氏
- 通路はWhizにやってもらっているので、棚の間隔が狭くて入れないところや、変わったカーブがあるところは人が作業するようにしています。人は人でしかできないところを担当する、という住み分けが一番理想的です。そのためにも、やはり効率的なコースを作成することが重要です。現状安定して運用はできていますが、コースの設定はもっと改善していけると思っています。
導入後も進化していくという魅力
公共施設での活用という点では、Whizの活躍はいかがですか。
- 田原氏
- 公共施設では飲食をしないスペースが多くなります。入口付近はともかく、中に入るに従って、ゴミが少なくなってきます。そうなると、吸い残しが目立ちます。
施設ならではの特徴ですね。
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- 井上氏
- そうですね。やはりロボットということでそういった品質の部分を懸念していたのですが、いろいろ検証して良いコースが作れたので、非常に良い状態を保てています。
実際にWhizを使われて、想像していたよりも良かった点はありますか。
- 井上氏
- 安心感ですね。急きょ職員が休まれたり、欠員が出たりすることがあります。Whizは病気になることはありませんので、そういった意味で安心感がありますね。
- 田原氏
- 成長していくことです。最初、あれここ通れなかった、エラー出した、となっていたところが、センサーの感覚が変わったのか、通れるようになっていた。通信でアップデートされて日々賢くなる。導入したときのスペックで終わりではなくて、ロボット自体も成長していくというのは魅力です。
Whiz込みの見積もりが前提へ
今後どうなっていくと感じてらっしゃいますか。
- 井上氏
- ロボットもだいぶ認知されてきて、そういう時代がきているということもお客さまもわかっています。Whizがどんどん進化して、使える条件がもっともっと広がっていけば、いろいろな施設で今後使えるようになってくるのかなと思います。
- 田原氏
- 特定の現場では安定した運用ができていますが、導入したすべての現場が安定化というところまできていないのが現状です。ただ、いまでは新規の見積もりをするときに、ロボット導入を前提としたシミュレーションをしています。今後もっと増えていく可能性はあると思っています。
本日はありがとうございました。
- 事務局
- ビル管理会社も施設も、将来を見据えて新しいものをどんどん試していきたいという風向きになっている。業務用除菌清掃ロボットが動いている風景が当たり前の時代になってきていることを強く感じた取材だった。