人とロボットが共に発展する「ロボットフレンドリー」な物流倉庫を実現!
清掃ロボット・運搬ロボットを同時導入した狙いとは?

  • 大翔トランスポート株式会社 様

大翔トランスポート株式会社

■床清掃時間0分に!毎朝3.6時間以上かけていた清掃時間をWhiz i アイリスエディションが代替!作業場や棚の整理に時間がかけられ、働きやすい環境を実現し生産性向上!
毎朝26人で15分~20分かけて行っていた倉庫の清掃を、Whiz iが夜中に代替し従業員の床清掃時間を0分に。従業員の生産性向上を実感するとともに、快適な職場環境の実現と拠点に訪れるお客さまへ先進性アピールにも貢献!
■コールセンター⇔倉庫⇔エレベーター間の移動をKeenbot T5で代替!受電率UP&残業時間削減!
コールセンターからピッキングリストを倉庫へ運ぶ役割をKeenbot T5が代替。さらにエレベーターを上手く活用したオペレーションを取り入れることで、多層階の倉庫で効率的な運搬業務を実現!人員に穴が開かなくなったことで、コールセンターの受電率が上がるとともに、残業時間も削減!
■「倉庫が暑すぎて作業効率が落ちる…」「時間に追われると走ってしまい危ない…」が低減!従業員の働きやすさが向上!
40℃以上の夏・氷点下の冬・繁忙期など、どんな環境でもロボットは一定の効率で清掃&運搬。「早く清掃を終わらせて、業務をしなければいけない。」「早くファイルを届けないと出荷に間に合わない。」という精神的圧迫感が緩和され、より安全で働きやすい環境に。

  • 小山HUB

    小山HUB

  • 〈お話を伺った方〉
    大翔トランスポート株式会社 役員 様
    大翔トランスポート株式会社
    東京パーツセンター センター長 様

  • 東京パーツセンター

    東京パーツセンター

  • 〈施設・会社概要〉
    大翔トランスポート 様は、福岡に本社を置き、全国に20拠点を構える総合物流企業です。1,000社を超える協力会社と提携しており、離島や交通の便が悪い場所へも荷物を届けられるネットワークを形成しています。365日24時間対応を可能としており、突発的に配送が必要になった際や大型連休の際にも、安心して相談できる対応力が魅力です。

課題

  • ①小山HUBで毎朝発生している従業員の清掃時間を、生産性やサービスの質を向上させるための時間に充てたい。
  • ②東京パーツセンターでは業務を効率化したかったものの、巨額の初期投資や改修工事を行うには限界があり、AGVやAMRの導入はハードルが高かった。

効果

  • ①Whiz iの導入で、全従業員(26名分)の清掃時間である、約3.6時間以上/日分を代替。時間にゆとりができ、相乗効果でミス率が低下。
  • ②1台から手軽に導入できるKeenbot T5の導入により、改修工事もオペレーションの大幅変更もなく、約69分/日の運搬業務を代替。

倉庫運営も担うことで、物資の調達から消費者への配送までのワンストップ対応を可能にした物流システム!

大翔トランスポート様の会社概要、事業内容をお聞かせください。

役員様

弊社は2023年で創立18年目を迎える、運送事業や倉庫運営を営んでいる総合物流企業です。全国の20拠点で、計300名ほどの従業員が働いています。車両は軽車両から大型車両まで、約250台を保有しております。

大きな特長は、荷物の調達、保管や物流加工といった倉庫での管理、消費者への配送まで一貫して対応するトータル物流システム(3PL)を提供していることです。自社で倉庫も車両も持っているので、24時間365日体制でお客様のご要望にお応えすることができます。この対応力の広さは、弊社ならではの強みではないかと考えています。

私が管轄している事業部では、医療機器やパソコンといった精密機械の保守パーツを扱っています。そのため、「機械が故障したので、至急パーツを配送してほしい」といったご依頼が、昼でも夜中でもよくあります。

東京パーツセンター センター長様

物流業界には「指定時間内に届けるのが当たり前」という認識があって、通常通りに行った仕事に対して感謝されることが少ないです。ですから、その“当たり前”に何かしらの気遣いといった+αの価値を提供することで、「大翔トランスポートを選んでよかった」と思われるような業務を心掛けています。

今回、Whiz iを導入した小山HUB、Keenbot T5を導入した東京パーツセンターの特徴を教えていただけますか。

役員様

小山HUBは、在庫量・庫内面積ともに全拠点で最大です。パーツの在庫調整のために、全国の拠点へ補充を行う役割を担っています。

東京パーツセンターは、パーツの保管や入出庫だけではなく、お客様からの受発注を担うコールセンター機能も有しています。全拠点の要とも言える位置づけにある拠点です。

重要拠点だからこそ、日々見ている中で効率化できる部分がもっとあるな、もっとこうできたらいいなというアイデアがあり、設備投資をしていくならこの2拠点だと思い、小山HUBと東京パーツセンターでトライアルを実施しました。

ロボットの導入で人は人にしかできない業務に専念し、生産性とサービスの価値を向上したい

今回、倉庫運営にロボットを導入しようと考えた経緯はなんでしょうか。

役員様

物流業界は、いわゆる「2024年問題*」に直面しているのですが、弊社も含め、抜本的な対策ができていない企業が多いのが実情です。物流は労働型集約産業なので人が絶対に必要なのですが、採用コストが上がる一方の昨今は、容易に人を増やせる状況でもありません。だからこそ、 人がやらなくてもいい業務はロボットで代替して、人は人にしかできないサービスや仕事に専念してもらいたいと考えました。また、多くの企業でDXが進んでいる中、他の物流企業に後れを取ることに焦っていたことも大きな要因でしたね。

さらに言うと、小山HUBには空調が入っていないのです。スポットクーラーなどを稼働させても、夏場は倉庫内の温度が40℃を超えてしまいます。逆に、冬場は氷点下なのではないかと感じるくらいに寒いです。そんな環境で人がハキハキと動くのには限界がありますので、そういった面でも、 ロボットの導入で生産性を向上できないだろうかと思っていました

* 働き方改革関連法によって2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることによって発生する問題のこと。

その中で、Whiz iとKeenbot T5のトライアルを決めた理由はどこにありましたか。

役員様

一番はコストです。最初はロボットに限らず、AGVやAMRなど、様々な業務効率化の手段を検討していました。しかし導入のためには、倉庫全体を自動化しなくてはいけないということが多かったです。そうなると大規模な改修工事が必要になって、そこにかかるコストも何千万、何億円まで膨らんでしまいます。そこまで巨額な投資を当社のような中小企業で行うのは、どうしても無理があります。

そういった流れの中で倉庫全体ではなく、まずは一部の小さな部分から自動化ができないかと考えて、いろんなロボットのデモを見たり、見積もりを取ったりしました。ですがそこでも、ミニマムの契約台数に縛りがあったりして、結局導入コストが高くなりがちなのがネックでした。そんな中で、 1台からトライアルができる「清掃ロボット Whiz i」と「運搬ロボット Keenbot T5」を見つけて、問い合わせさせていただきました

ここでもう一つの決め手になったのが、アイリスオーヤマ様のご担当者の対応です。私たちの質問に対して、上司やエンジニアに確認を取ることなく、その場で丁寧に回答してくださいました。 自社の製品を知り尽くしていることが、大きな信頼感につながりました。

Whiz iへの業務代替で、26人分の床清掃時間が0分に!!時間と心の余裕から、より丁寧な業務が行えるように!

トライアルについて伺います。小山HUBでは、どのような形でWhiz iを導入しましたか?

役員様

約2,400坪の庫内面積を持つ小山HUBは、いくつかの部屋に分けられています。トライアルでは、そのうちの1部屋で運用しました。トライアル開始前は、「本当に掃除をしてくれる?」と懐疑的なところもあったので、清掃範囲や稼働時間、清掃能力をしっかりと確認させてもらいながらトライアルしました

初めてWhiz iを操作した時の感想を教えてください。

  • Whiz iは誰でも簡単にマッピングできます
  • 役員様

    マッピングの簡単さに驚きました。これまでに試したAMRなどでは技術者しかマッピングができなかったのですが、 Whiz iは誰でも簡単にマッピングできます。今ではもう小山HUBの責任者が自分でマッピングをして、より効率的な清掃ルートを模索しているくらいです。現場の従業員たちもすぐに受け入れてくれて、すぐに名前をつけて可愛がっていました。

トライアル時、現場への定着を促すために意識したことはありましたか。

役員様

現場とのコミュニケーションです。トライアルを決めたのは私でも実際にロボットを使うのは現場ですから、私だけの考えでトライアルを進めても意味がありません。ですから、小山HUBや東京パーツセンターに出向いて、ロボット導入の目的を直接伝えました。それ以降も本部で現場の稼働状況報告を待つのではなく、定期的に現場に赴いて、現場の声をしっかりと把握するために従業員に声をかけ、体感レベルでどう感じるかを聞くようにしました

それでは、実際にWhiz iを稼働させて見られた効果を教えてください。

  • 役員様

    清掃能力は、人に圧勝していましたね。Whiz iは夜中に稼働させて清掃を行ったのですが、朝出勤して床を踏むと、体育館みたいに“キュッキュッ”と音が鳴ります。Whiz iが、それだけ綺麗に埃を掃除してくれているということですね。これには本当に驚きました。その上、毎朝26名で15~20分かけていた清掃時間が0分になるわけですから、「これはもう必需品だな」と感じました

  • Whiz iは誰でも簡単にマッピングできます

その時間でより細かい部分の清掃や棚の整理などを行ったり、普段の業務をより丁寧に行える余裕が生まれたので、従業員もより働きやすくなったと思います。生産性は、間違いなく向上したと感じています。

また、小山HUB・東京パーツセンターには、お客様がよくいらっしゃいます。その時に、「ロボットの導入によって、従業員はこういう業務に専念して、お客様のビジネスにこんな貢献ができます」と話せるようになり、お客様にとても喜んでいただけています。生産性の向上だけではなく、ものすごい企業アピールになったというのは大きいです

さらに従業員も、自分の職場にロボットがいると家族に話せて楽しいそうです。その報告を聞いた時は、経営側の立場としてとても嬉しかったですね。

Keenbot T5が1日69分を代替!コールセンターの受電率UP&目視確認の徹底で約半年ノーエラー!!

それでは次に、東京パーツセンターで行ったKeenbot T5のトライアルについて教えてください。

  • 東京パーツセンター センター長様

    東京パーツセンターは、他の拠点と違って縦に長い4階建ての倉庫です。4階にあるコールセンターからピッキングリストを出して、それぞれの階の担当者が必要なパーツをピッキングして貨物用エレベーターに乗せて、1階から出荷するという分担制で業務を行っています。このファイルやパーツの運搬業務をKeenbot T5に担ってもらいました。

  • ファイルやパーツの運搬業務をKeenbot T5に担ってもらいました

階が変わるとロボットは動かなくなるのですが、4階のコールセンターからエレベーターの中まで進んでくれれば、あとは人のオペレーションでどうにかなるのではないかと思い、アイリスオーヤマ様のご担当者に相談してみました。結果として効率的なオペレーションに改善することができたので、無理を承知で相談してよかったと思っています。

ロボットが導入されると聞いた時、実際にロボットに触れた時の従業員の反応はいかがでしたか。

東京パーツセンター センター長様

初めて話を聞いた時は、「そうなんだ…」くらいの薄い反応です。これまで業務でロボットと触れ合うことがなかったので、導入後のイメージがつかなかったからだと思います。しかしトライアルを始めてみると、大きな問題もなく、すぐに受け入れていました。本導入が決まった時に一度トライアル機を返したのですが、その時には「寂しいね…」と落ち込んでしまうくらいで。寂しいという感情が生まれるくらい、人とロボットが上手く共存できていたのだと思います

すごい!と言われる機械は便利である反面、専門知識を持った技術者じゃないと使いこなせないことが多々あります。ただ、物流業界には体を動かして働きたい方が多く、機械に苦手意識を持っている場合が多いのが実情です。そういう方が分厚いマニュアルを読んで複雑な操作をするのは難しいし、機械が故障した時に復旧まで時間がかかって、業務が止まってしまう懸念もあります。そうなると、センター長としても導入を見送らざるを得ません。絶対に定着しないので。

Keenbot T5は操作するボタンが3つくらいしかないので、簡単に操作方法を覚えられたのがとてもよかったです。指先1本でロボットが動いて、自分がファイルを届ける必要もなくなる。その手軽さと便利さが、従業員の心に刺さったのだと思います。今では“ビーちゃん”という愛称で、朝に起動する時に「おはよう」と声をかけられて、充電する時には「おやすみ」と言われるくらい、現場になじんでいます。

では、Keenbot T5を導入して見られた効果を教えてください。

  • 東京パーツセンター センター長様

    数値による効果検証では、1日約69分の運搬業務を代替できています。 削減できたのは細かい移動時間なので、その69分を別の業務に充当できるわけではないのですが、残業が減って定時で上がれる日が増えたことを実感しています。翌日の業務を前倒しでこなせることも増えました。忙しい時に時間を厳守しなければいけないという精神的圧迫感から倉庫内を慌てて走ることも減ったので、従業員の安全性が高まったのもよかったと思います。

    それと効果が大きいのは、ファイルの運搬でコールスタッフが抜けることがなくなったので、コールセンターの受電率が上がったことです。さらにコールセンターでは、お客様からのオーダーをピッキングリストにまとめる業務をアナログで行っています。運搬業務をロボットに代替できたことで、リストの目視確認を重ねて行う余裕が生まれたようで、ここ半年くらいはノーエラーで業務を遂行できています

  • 運搬業務をロボットに代替できたことで、リストの目視確認を重ねて行う余裕が生まれたようで、ここ半年くらいはノーエラーで業務を遂行できています

導入成功の秘訣は「依存しすぎないこと」
~共に発展していく人とロボット~

小山HUBでも東京パーツセンターでも、大きな問題もなくロボットの導入に成功した理由はどこにあると考えていますか。

東京パーツセンター センター長様

ロボットに依存しすぎない方法で運用できたことだと思います。 清掃も運搬も、ロボットでも人でも代替できる業務です。ロボットが故障したとしても、復旧されるまでの間は人がやればいいだけです。急に倉庫全体が自動化されても従業員は大きな変化についていけなかったと思うので、このくらいの“身近なお手伝い”をロボットにしてもらえるのが、現場にとてもマッチしたのだと思います

役員様

それと、エレベーターを活用したオペレーションもそうですが、従業員がロボット導入の意図をしっかりと理解して、共に発展していく姿勢を持てたのが大きかったと思います。小山ではロボットが清掃する部屋に物が散乱しないように気を付けていますし、東京でもロボットの導線に入らないように意識して業務をしています。こういう人側の理解と共存姿勢がないと絶対的な効果は出ないと、今回のトライアルで痛感しました。

今後は、他の拠点にも導入を進めていきたいです。

どこの誰もが「同じ質のサービス」を提供できる仕組みを
~テクノロジー×物流の未来~

今後の物流業界で、ロボットを始めとするテクノロジーがどのように活躍できると期待していますか。

役員様

物流は、スキルの差が激しい業界です。特定の人しかできない職人技がある一方で、なかなかスキルを伸ばせない人もいます。そこにロボットやAIなどを活用していくことで、個人のスキルに依存した業務をどんどん減らし、誰もが同じ質のサービスが提供できる仕組みづくりを行っていきたいです

アイリスオーヤマ様のロボットは本当に使いやすいので、当社も協力しながら企業の垣根を越えて導入を広げていくことで、物流業界全体がよくしていきたいと考えています。

ありがとうございました。

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