AI清掃ロボット「Whiz」を使用することで、
空間浮遊菌量が5分の1程度まで減少することが判明

2020年4月15日
ソフトバンクロボティクス株式会社
株式会社熊谷組

〜オフィスビルを対象に清掃に関する実態調査を実施〜

ソフトバンクロボティクス株式会社(以下「ソフトバンクロボティクス」)は、AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」の清掃能力を評価するため、株式会社熊谷組(以下「熊谷組」)と共同で、オフィスビルを対象に清掃に関する実態調査を実施しました。その結果、「Whiz」を使用して床清掃を行った場合、人の手による清掃と比較して空間浮遊菌量が5分の1程度まで減少することが検証できました。また、床の清掃具合と空気中の清浄度(浮遊菌量)には相関性が見いだされ、床面をきれいに保つことで、室内空間全体の清浄度を高める効果があることも検証できました。そのため、従来の人による清掃では取り切れない「隠れダスト」を「Whiz」による全面清掃で効率的に除去することで、床のきれいさをむらなく高めると同時に、室内空間も清浄に保つことができることが分かりました。

※ 清浄度(浮遊菌量)は、空間の花粉や菌などの有機物を測定するものであり、空間のウイルスを測定するものではありません。

[今回実施の調査について]

1. 実施概要
二つのオフィスビルを対象に、ATP(汚染物質)拭き取り検査による床のきれいさと、「微生物センサ BM-300C」を用いた室内浮遊菌量の測定を行い、人の手による清掃時と「Whiz」による清掃時の清掃具合に関する比較調査を実施しました。

2. 調査結果
調査の結果、二つのオフィスビルにおいても床の清掃具合と浮遊菌量に相関性が認められました。「Whiz」の継続的な清掃により、生物汚染度が減少して維持されるとともに、室内浮遊菌量も大きく減少し、とても清浄な室内空間が創出されていることが分かりました。「Whiz」の使用により、生物汚染度(ATP測定値:RLU)は2,000~4,000程度減少しました。「Whiz」を継続して使用することによって、使用前の測定値に戻ることなく、きれいな床面が保たれていることが分かりました。さらに、人の手による清掃時の室内浮遊菌量(n/立方メートル)は2万~3万で、比較的きれいな室内空間であったが、「Whiz」による清掃を2~3日行った後では、室内浮遊菌量が4,000~6,000まで減少し、1万を大きく下回るとてもきれいな室内空間になっていました。以上のことから、従来の人による清掃では取り切れない「隠れダスト」を「Whiz」による全面清掃で効率的に除去することで、床のきれいさをむらなく高めると同時に、室内空間の清浄度の向上にも効果的であることが分かりました。

  • ルミテスター Smart & ルシパック A3

  • 微生物センサ BM-300C


ATP測定値と清浄度判定について

オフィスビルにおいて主流であるタイルカーペット床を中心に、さまざまな床面116カ所の調査を通じて床の清掃具合をATP測定により判定する基準を定めたもので、7,000RLU以下を維持することが良好な清掃状態として定義されています。なお、「Whiz」の使用前後におけるATP測定値(RLU)は、清掃前の平均値6,221に対して清掃後の平均値は3,902で、「Whiz」による清掃により2,000RLU程度の数値を減少させることができるなど、共通して床の清掃具合への高い効果が見られました。
(ソフトバンクロボティクスおよび熊谷組による共同調査結果から)


ATP測定値と清浄度判定(ルミテスター管理基準値)


床面ATP測定値とダスト量の相関関係について

生物汚染度の測定値(RLU)が1,000、2,000、5,000、6,000、1万と異なる5地点で最低5日間「Whiz」による清掃を実施し、100平方メートルおよび10回の使用に合わせ、回収したダスト重量を計測した結果、ATP測定値とダスト量には正の相関関係があり、ATP測定値が高い床面は、ダストが多く存在していることが検証されました。
(ソフトバンクロボティクスおよび熊谷組による共同調査結果から)


「Whiz」のダスト回収量とATP測定値の比較


床面ATP値と室内浮遊菌量の関係について

床面のATP値に対して、相当する真菌細胞数を推定したもので、10平方センチメートルの拭き取り面積で1万 RLUが得られた場合、真菌細胞10万個の存在に相当すると推定しています。つまり、1万 RLU以上の床面を1歩歩くだけで、数万個の真菌細胞をまき散らす可能性があり、繰り返しまき散らすことで室内浮遊菌が数万個/立方メートル以上となることが想定されています。
(熊谷組調べ)

  • ルミテスター Smart & ルシパック A3

  • 微生物センサ BM-300C

床面RLU測定値と真菌数の相関関係(酵母細胞を用いた真菌数測定値)


「微生物センサ BM-300C」による室内浮遊菌量測定値について

住宅や事務所、工場など、さまざまな室内空間において、「微生物センサ BM-300C」による浮遊菌量測定を実施して定めた室内微生物汚染管理指標です。季節や換気、室内の使用状況により数値が変化しますが、室内浮遊菌量推定値が4~5万個/立方メートル程度を一般的な値として定めています。
(熊谷組技術研究報告第78号、2020から)


「微生物センサ BM-300C」による微生物量の数値(n/㎥)の目安


「隠れダスト」について

ちりや花粉、カビ、細菌など、床に存在し、空気中に舞い上がりやすいが、肉眼では見えにくいため、人の手では取り残してしまうごみの総称で、ソフトバンクロボティクスが環境アレルゲンinfo and care株式会社との共同調査を基に独自に定義したものです。

・「ルミテスター」、「ルシパック」はキッコーマン株式会社の日本における登録商標です。

ページTOPへ