人とロボットの協働で、
より清潔で心地よい図書館を実現

  • 海南nobinos(ノビノス) 様(和歌山県)

海南nobinos(ノビノス)様 ※「Whiz iアイリスエディション」は、ソフトバンクロボティクスの「Whiz i」に、業界ニーズに合わせたアイリスオーヤマ独自のオプションの追加を可能にしたDX清掃ロボットです。(以下、「Whiz i」と略)
※顔マークはメーカーラッピングとなり、海南市をイメージするものではありません。

■全ての来館者が安心して利用できる環境づくりの実現
1日に1千から3千人もの利用者が訪れる飲食可能なユニークな図書館。Whiz iを導入したことで館内の床面や空気をキレイに保ち、大人から子供まで全ての来館者に安心・安全な環境を提供。
■一部の床清掃をWhiz iに任せて、人は大切な清掃に注力できるように
Whiz iが生み出した時間で、より清潔にしたい場所に人の手をかけることができるように。トータルでさらなる清掃品質の向上を実現。
■委託清掃業務を見直すことで、清掃コスト削減につながる
人とロボットを併用し清掃業務を合理化することで、1日当たりの清掃コストを15%程度削減

  • 海南nobinos 様
  • 〈お話を伺った方〉
    海南nobinos 館長 松藤 伸介氏
    海南nobinos 副館長 谷口 義彦氏

    〈施設・会社概要〉
    海南nobinosは、2020年6月にオープンした和歌山県海南市にある市民交流施設。核となる図書館は本に触れる機会の創出に力を入れており、図書以外の目的で来館しても本を手にしようと思っていただける。そんな『本との出逢い』のきっかけ作りを目指した新しい形の図書館です。
    株式会社図書館流通センター(TRC)を中心に民間企業体が運営しています。

課題

  • ①飲食も可能な図書館の清掃品質を維持・向上させたい
  • ②コロナ禍で肥大する清掃に係るコストを削減したい

効果

  • ①Whiz iに床清掃の多くを任せることで、人は机・椅子の上や、拭き取りの必要な清掃に注力。トータルで清掃品質を向上した
  • ②清掃作業の合理化により1日当たりの清掃コストを15%程度削減。余剰時間を生み出した

新しいカタチの図書館」が抱える清掃の課題とWhiz i導入のきっかけ

海南nobinosの図書館の特徴をお聞かせください。

松藤氏
海南nobinosの核である図書館は、にぎわいをテーマとした図書館です。全館ともコーヒーを片手にくつろぎながら本を楽しめます。2階には飲食可能なスペースも設けています。
本への入り口として子ども達には遊びながら、大人のご利用者なら飲み物を飲みながら、気になる本を手に取っていただける快適な読書環境を目指しています。

快適な図書館の環境を維持するための課題は何でしたか?

谷口氏
ご利用者へのアンケートを実施し、施設が清潔であることに高い評価をいただいていました。一方で、清掃には3つの課題を感じていました。 1点目は、毎日大勢の利用者がお見えになり飲食も可能な上で、コロナ禍でもあることで求められる清掃品質が高まっていたことです。
2点目は、清掃業者は開館前にしか作業ができず、朝5時45分から3時間でサッカー場くらいの広さを清掃することに時間的限界が生じていたという課題でした。
3点目は、コストです。清掃業者に委託する体制で清掃品質を追求する中、コストが増え継続性の面で問題です。作業の効率化だけでは解決できないと考えていました。

Whiz i 導入のきっかけをお教えください。

松藤氏
課題解決に苦慮していた時に、加古川市の図書館でお掃除ロボットを導入したと聞きました。 海南nobinosでも試験導入してはどうかということになり、ちょうどアイリスオーヤマの営業担当者からトライアルの提案を受けたので、 渡りに船で「清潔度の向上」と「清掃業者への委託コストの削減」を検証ポイントに、 2021年の11月から12月にかけWhiz iをトライアル導入しました。

“のびのびできる図書館”は清掃にとって厳しい環境だった

トライアル導入の流れと留意した点についてお聞かせください。

  • 谷口氏
    「清潔で安心できる図書館」というイメージ定着後のWhiz iのトライアル導入だったので、清掃品質維持を必須条件に、私たちTRCと清掃業者、アイリスオーヤマの3社で取り組みました

当館の図書館は清掃の観点では、非常に厳しい条件の現場です。飲食ができることと、全体の来館者のうち3割強は、幼児などを伴う家族連れと20歳代以下の学生を中心とするお客様ということが理由です。
人の清掃は目に見えるゴミだけを取る傾向があるのですが、Whiz iは教えられたルート通りに走行するので、均一に清掃することができます。また、Whiz i にHEPAフィルターが搭載されており、床清掃をしながら、空気もキレイにしてくれるので安心しました。

“くつろげる図書館”という魅力もWhiz iにとって厳しい条件だったそうですね?

  • 谷口氏
    滞在型のくつろげる図書館を目指す当館には300を超える形状の異なる椅子や、ちょっと腰を下ろせるキューブ型の椅子もあります。また開架式で蔵書数日本一を誇る絵本には、書架に収まらず飛び出すものも多くあります。 それらが障害物となる環境下でのWhiz iのトライアルでした。
    書架から飛び出す本に対しては、Whiz iの清掃ルートの設定を本棚から少し離して対策しました。また、机の下などWhiz iで清掃できない場所は、人による掃除機との併用になり、人とロボットの導線を分ける必要がありましたが、何度かルート変更を行うなど、問題を一つずつ潰し工夫しながらテストを重ねました。
  • 館内を清掃するWhiz i 3フロアで活用

    館内を清掃するWhiz i 3フロアで活用

人とWhiz iとの協働の設計が導入の鍵だった

現場の清掃業者はWhiz iをすんなり受け入れてくれましたか?

  • 松藤館長(左)と谷口副館長(右)

    松藤館長(左)と谷口副館長(右)

  • 谷口氏
    最初は、すんなりとはいきませんでした。清掃スタッフからは「ロボットの面倒を見るのは大変」とか「nobinosでは活用できない」との声もありましたが、本当は「できない」ではなく「変化への抵抗がある」ことだと気づきました。 その「変化への抵抗」を客観的な評価や判断に変えていくことや、清掃スタッフとロボットの協働を実現していくことが、私の最初の仕事だと強く感じました。そこでアイリスオーヤマのカスタマーサクセス担当者と一緒に、全ての清掃員と1か月間で3回も面談しました。

最初は清掃作業側の不満や不安を聞くような対峙する形でしたが、回数を重ねるうちに相談に変化し、「nobinosのために」と目的をひとつにしていくように変わっていきました。
とにかく面談では、「仕事の量は減りません。ロボットに一方的に助けてもらうのではなく、人とロボットが共に働くんです」と強調しました。トライアルが進むうちに現場の清掃作業員たちがWhiz iに愛称を付けて「ロボ子」と呼び始めて、「これは行ける」と思いました。

Whiz iがオペレーションを進化させ清掃の品質を高めた

Whiz iの活用で、清掃品質面ではどんな効果を得ましたか?

松藤氏
導入の過程で、清潔度を見える化するATP検査を提案されました。
実際に検査すると、Whiz i導入前に比べ平均50%以上の清潔度改善が数値で示され、ウイルスの温床も除去できていると実感できました。

コスト削減面での効果はいかがでしょうか?

谷口氏
私の任務は清掃時間の短縮です。そのためにどこでWhiz iを活用するか、人とロボットのトータルな作業としてどう運用すると効果的かを、清掃業者を交えて何度も話し合いました。
現在3フロアでWhiz iを活用していますが、稼働させる順番は清掃業者が知恵を絞ってくれた結果、条件の厳しい当館でも、1日当たりの清掃コストを15%程度削減できました。

コスト削減面での効果はいかがでしょうか?

松藤氏
清掃コストの削減については、清掃業者の協力もあって年間の目標が達成できそうです。
その上でWhiz i導入の価値は、時間削減だけでなく人の余剰時間を生むことです。「ロボ子に任せることで、人は大切な部分に注力できる」という考え方も必要です。
Whiz i導入で余剰時間が生まれ、清掃業者にはより清潔にしたい場所に時間をかけてもらえるようになりました。

プロジェクトを一緒に進めたアイリスオーヤマへの評価をお聞かせください。

  • 松藤氏
    トライアル段階からアイリスオーヤマの対応は大変早く報告も正確かつスムーズで、私たちや清掃業者と綿密に擦り合わせてプロジェクトを進めてくれました。清掃の責任者も、「ここまでフォローされたら断れないよね」と漏らしていたと谷口の方から報告を受けたのが印象的でした。
  • 谷口氏
    アイリスオーヤマには、今日話したことが明日には全員に共有できる資料になり、関係者に落とし込んでくれるなど圧倒的なスピード感があります。 清掃を担当するシニアスタッフの声を丁寧に聞き、スタッフの仕事のしやすさも考えながらWhiz iの性能を活かす稼働のため、日々上がってくる課題への様々な提案をしてくれました。 何としてもこの現場を成功させたいという熱意を感じました
  • 人とWhiz iの協働により人の余剰時間が生まれ清掃品質の向上とコスト削減が実現

    人とWhiz iの協働により人の余剰時間が生まれ清掃品質の向上とコスト削減が実現

今後のWhiz i活用の展望と、Whiz iへの期待をお聞かせください。

松藤氏
Whiz iを清掃だけでなくコミュニケーションツールとしてイベントなどに活用し、nobinosの活性化につなげるプランを海南市に提案中です。 様々な取り組みにWhiz iを活用することで、清掃品質向上や人手不足解消だけでなく、将来的に新しい概念のnobinosに貢献してくれると期待しています。

本日はお話、ありがとうございました。



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