Whizの活用による生産性の向上は深刻な人手不足を緩和する方策となり得ます
- オフィス
- 人手不足解消
- 業務生産性
-
相鉄企業株式会社 様
清掃プロフェッショナル企業が期待するWhizの可能性に迫る!
相鉄企業株式会社
〒220-0004 横浜市西区北幸2-9-14 相鉄本社ビル3階
〈事業内容〉
ビルメンテナンスや環境サービス、設備工事、指定管理者業務、機械警備などの総合建物サービスを提供。顧客は首都圏の公共施設やオフィスビル、ショッピングセンター、ホテルなど、多岐にわたっている。
総合建物サービスを提供する相鉄企業株式会社の本社内で1台の除菌清掃ロボットWhizが稼働中だ。
同社横浜営業部の兜森(かぶともり)氏に導入のきっかけや効果などについて聞いた。
目次 |
---|
人手不足と高齢化に対処しきれなくなってきた
1961年の創業以来、長年培ってきた施設管理の経験と技術を駆使し、相鉄グループの一員として建物総合管理サービスを提供してきた相鉄企業株式会社。主力サービスは設備管理、清掃、警備の3つだ。同社の従業員は約2,060名(2019年3月31日現在)だが、そのうち637名が清掃に従事しているという。従業員規模から見ても清掃に注力していることがわかるだろう。今回、同社のような清掃プロフェッショナル企業においてWhizが導入されたわけだが、どのような課題に直面していたのか。横浜営業部の兜森氏が説明する。
相鉄企業株式会社
横浜営業部 営業四課 横浜駅西部第1事業所長
兜森 正彦 氏
「人手不足が課題となっていました。具体的には、求人募集をしても応募がない、入職してもすぐに辞めてしまうといったケースが頻発していました。一度欠員が生じると簡単に埋めることができない、そんな状況が相次いでいたわけです」
人手不足に加えて、清掃員の高齢化も課題となっていたという。
「清掃は体力勝負の面があります。高齢な従業員のなかには、体力的に勤務し続けるのは厳しい、そんな方もいるわけです」
オフィスで使えるコンパクトさ、レンタル導入が可能な点を評価
現在、業務用の清掃ロボットはさまざまなタイプのものが販売されている。こうしたなか、Whizを検討することになったのはなぜか。
「実は、当社にはロボティクスを比較検討する部署があります。その部署から“Whizを使ってみないか”という提案があったのです。相鉄ジョイナスなどの商業施設で、他業務においてロボットはすでに活用されており、実績を上げていました。そのため、ロボット活用に抵抗はありませんでしたね。むしろ、清掃員のバキューム作業の負担が軽減できるかもしれないとプラスに考えました」
検討段階ではソフトバンク本社までWhizを直接見に行ったという。
「目にして最初に思ったのはコンパクトだということ。清掃ロボットといえば巨大なものをイメージしがちです。しかし、Whizは狭い通路でも走行可能なサイズだったのでとても驚きました。Whizの大きさならば、オフィスや会議室などの比較的狭いスペースでも活用できると思いましたね」
今回、オフィスにおいて導入を検討していた同社にとって、Whizは適した清掃ロボットだったわけである。Whizを触るなかで、兜森氏が感心したのがティーチングである。ティーチングとは清掃ルートを作成する作業のことである。「従来の清掃ロボットの場合、マッピング方式がメインであるため、清掃ルートを専門知識のあるエンジニアが設定しなければなりませんでした。しかし、Whizだと、そのような難しいプロセスは必要ありません。スタート地点にホームロケーションコードを設置し、清掃したいルートを手押しで進むだけで清掃ルートをWhizに覚えさせることができます」
さらに兜森氏は障害物を検知し、自律的に避ける点もプラスに評価していた。
「複数のセンサーで走行ルート上の障害物を自動検知し、自動で回避したり、一時停止したりする。オフィスには椅子などの障害物があるほか、人が通ることも多いですよね。そのため、このような機能があるのはとてもありがたいです」
そして決め手のひとつとなったのはコストである。
「Whizは月数万円のレンタル料金で導入可能なのでハードルが低い。ほかの清掃ロボットは購入が中心で数百万円するものもあります。清掃ロボットの効果がわからないなかで、いきなり多額の設備投資を行うのは無理があると感じていたんです」
人を自動検知して回避、止まるとアラートが出るから安心
現在、Whizを1台稼働させ、あらゆるテストを繰り返しているという。現在のWhizの担当エリアはオフィスと会議室だ。Whizにはティーチングを行い、2ルートを記憶させている。掃除の時間帯は従業員退社後の18~20時。大半の従業員はいない時間とはいえ、時間外労働などでオフィスに残っている従業員は少数だがいる。人がいる状況のなかでWhizを走らせているわけだが、「人を自動検知して一時停止するため、今のところ困ったことは起きていない」と兜森氏は言う。しかし、椅子と椅子の間が狭すぎてWhizが通れないなどのトラブルはある。
「その場合は、椅子をよけてWhizが通れるスペースを確保する必要があります。Whizは止まるとアラートが出る仕組み。基本的に放っておけば掃除をしてくれるのですが、このときばかりは人手が要ります。Whizを十分に活用するためにはある程度オフィス環境を整えてやる必要があるかもしれません。しかし、これでも満足しています。というのも、マッピング方式の場合だと、そのまま完全に停止するケースがほとんどでアラートも出ません。つまり、Whizはマッピング方式のデメリットを解消する仕様になっているのですね」
バキューム掃除の時間を短縮できる可能性、ITリテラシーを問わずに簡単に操作
Whizを導入してから約2か月が経過。同社ではWhizと人間が協働する環境が整いつつある。
「オフィスの通路部分はWhiz、椅子の下などの細かいところは人間といったように業務を分担しています。ロボットと人間、それぞれの特徴を活かして掃除を行うことがロボット活用において重要なことではないでしょうか。まだ検証段階ですが、Whizを活用することでオフィスにおけるバキューム掃除の時間を半分に短縮することができそうです。そうなれば、従業員は浮いた時間をほかの仕事に充てることができるようになるでしょう。Whizの活用による生産性の向上は深刻な人手不足を緩和する方策となり得ます」
清掃員の高齢化にも対応できそうだ。Whizを活用することで、体力負担の大きいバキューム掃除から解放される可能性があるからだ。兜森氏はWhizの優れた操作性について言及する。
「WhizはITが苦手な従業員でも直感的に操作できることがメリット。一度ティーチングさえ行えば、ボタンひとつで走行を調整することが可能。高齢の従業員でも無理なく使いこなせるでしょう」
ロボットと人間の業務分担を明確化して業務生産性を向上させる
同社がWhizに寄せる期待は大きい。
「Whizは清掃業務のあり方を変えていくでしょう。例えば、早出して清掃を行っている現場のケース。Whizを深夜に稼働させて早朝に回収すれば効率的になるでしょう。これまで死んでいた時間帯が活動時間になるわけです。回収の際、人にしかできない細かい部分は従来通りに人手で行えば清掃品質を担保することができます」
Whizの活用領域が広がれば従業員の働き方が変わってくるかもしれない。
「より柔軟にシフトを組めるようになります。従来、2人必要だった現場において、1人で済むようになるという可能性がありますからね」
同社での検証を経て、ショッピングセンターや公共施設など、ほかの現場での活用も模索している。
「今は当社のなかでWhizを動かし、効果を検証しているところです。今後は、お客さまへのサービスとしてWhizを活用していきたいですね。そのためには、ロボットと人間の業務分担を明確化する必要があるでしょう。完全無人化は現状では難しい。そんななかで、それぞれの現場に合った使い方をどのように設定していくのか。知恵を絞る必要がありそうです」
総合建物サービスのさらなる品質向上に寄与するかもしれないWhiz。同社ならではのユニークな利用方法がきっと次々と出てくると予測される。