オフィスビル清掃に適した小回りが利く
ロボットを求めた

  • 東京美装興業株式会社 様

東京美装興業株式会社 様

AI清掃ロボットの新フィーチャー「Whiz」が人手不足に悩むビル清掃業界の未来に光をもたらす

2019.03.28 10:00 マイナビニュース

人手不足の解決につながる有効なソリューションとなるか――今、”AI清掃ロボット”が注目されている。ビル清掃業界も人手不足の深刻化に悩んでおり、将来に向けて、最新技術が生み出す新たなソリューションの採用を真剣に検討すべき時期にきている。

業界全体の未来に危機感を覚え新たなソリューションを模索する

ビルの清掃作業は、すでに人手不足に悩まされている。少子高齢化で労働人口減少がさらに顕著になる今後を思えば、憂鬱な未来像を描きたくもなるだろう。
とはいえ、ただ指をくわえて眺めているわけにはいかない。ICTの技術の進歩が、人手不足にあえぐビル清掃業界に光を投げかけてくれる可能性もある。
ビル管理業務を主体に、清掃業務、設備業務、警備業務、さらには建築エンジニアリングや各種施設運営・プロデュースも含め、ビルを総合的にサポートする東京美装興業。同社は2011年から、東京オペラシティビル(東京都新宿区)の清掃センター業務を元請けの立場で請け負い、建物全体の清掃をマネジメントしている。
清掃センター長を務める丸野彰之氏は、入社から21年。清掃やビルメンテナンスなど多彩な業務に携わった後、2016年から東京オペラシティで清掃マネジメントの仕事をしている。その丸野氏もここ数年間、ビル清掃業界における人手不足を顕著に実感していた。

  • Whiz
  • 東京オペラシティビル 清掃センター センター長 丸野 彰之 氏(東京美装興業)

    東京オペラシティビル 清掃センター センター長
    丸野 彰之 氏(東京美装興業)

「私がここでマネジメントを担当している中でも、当社を含めどこの清掃業者も人が足りないことを痛切に感じています。現状も必要な人員を集めるのに苦慮して、かろうじて凌いでいる状況であり、今後何かしら、しかも早急に手を打っていかなければ、個々の業者の仕事が立ち行かないだけでなく、業界全体で見てもサービスを提供できなくなってしまうかもしれない。そういう危機感を覚えています」
丸野氏は人手不足解消をサポートしてくれそうな清掃機器を求め、可能性を感じる製品に手当たり次第アプローチを重ねた。そんな中、ここ数年クローズアップされてきた「AI」というキーワードで丸野氏の網にかかったのが、ソフトバンクロボティクスのAI清掃ロボット「RS26 Powered by BrainOS」(以下、RS26)だった。
RS26の実機が動くところを見た丸野氏の第一印象は「期待以上」だった。

オフィスビル清掃に適した小回りが利くロボットを求めた

同社が現状目指しているのは、現在のビル清掃業務をすべて完全にロボットに任せてしまおうということではない。あくまでも「人間の補助」としての導入である。ビル清掃の人手不足はすぐにでも深刻さが増すかもしれない、とすれば、将来的には清掃作業を完全にロボットに任せる時代もくるかもしれないが、ひとまずはロボット導入にいち早く着手し、経験やノウハウを蓄積しておくほうが得策なのではないか。そういう考え方がベースにある。「RS26は設定した複数の清掃ルートを自律走行しながら掃除してくれる仕様でしたので、本当にその通り動いてくれるなら、不足している人員の補助も可能なのではないかと思いました」
丸野氏はRS26を早速社内にプレゼン。了承を取り付け、2018年11月に福岡市でオープンした大型商業施設でRS26を初めて稼働させた。
ただ、RS26は人が搭乗して清掃ルートを記憶させるタイプの大型機器であるため、ショッピングセンターや空港ならともかく、通路が狭いオフィスビルでは使いづらい。 また、オフィスビルの通路はフローリングでなくカーペットになっていることが多く、水洗浄式スクラバーのRS26では清掃が難しいという問題もあった。
丸野氏の頭にあるのは、オフィスエリアが多くを占める東京オペラシティビルへの導入だ。RS26に魅力はあるものの、そのままでは導入に踏み切れない……そのときソフトバンクロボティクスから、RS26よりも小型で、かつバキューム式を採用した新たなAI清掃ロボットの話を聞いた。人型ロボット「Pepper」に続く第2弾としてソフトバンクロボティクスが開発・提供するバキューム式のAI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」である。
「これだ、と思いました。ビル清掃業界で普及するに違いない、と可能性を感じましたね」と丸野氏は振り返る。
2019年2月、東京オペラシティビルでWhizによる清掃の実証試験を実施。通路の清掃など考えられるさまざまなパターンを試した。清掃ルートをWhizにあらかじめ教え込むティーチング作業により、人がいない場所でも満足できる清掃結果を得られたと丸野氏は評価する。AI機能についても、障害物を感知したらその部分を避け、元のルートに戻るという点で実用性を感じた。実験を見た社員の大半も「いいね」というイメージを抱いていると丸野氏は言う。

  • Whiz リモコン
  • 東京オペラシティビル 清掃センター センター長 丸野 彰之 氏(東京美装興業)

AI機能を搭載する自律走行可能な清掃ロボット。小型で乾式バキュームクリーナーを採用しているため、オフィスや業務フロアの清掃に適しており、ビルの通路に多いカーベットの床面清掃もスムーズにこなせる。自動運転清掃・洗浄機向けサービス「AI清掃PRO」に対応し、最初に清掃ルートを作成・記憶させれば、以後はボタンを押すだけで壁などとの衝突を避けながらルートに沿った自律清掃を行ってくれる。2019年春頃発売予定。
*2019年5月に発売済み、本インタビュー内容は2019年3月当時の内容となります。

実証試験で効率向上とコスト効果を確認 “人間の補助”としての導入に踏み切る

「もちろん欲を言えばキリがありませんから、さらにこの機能が欲しいとか、こういった機能があれば人の補助なしでも動かせる、といった意見も出てきました。ただ、今回の導入のコンセプトは、あくまでも作業する人間の補助的な機械を探すという位置づけです。すぐにすべての清掃作業をロボットに任せてしまおうということではないわけです」
その点を忘れると、理想だけが青天井となり、要求スペックも当然上がって、必然的にコストも大きく膨らんでしまうだろう。現在の需要とコストを秤にかけて考えれば、十分な効果を上げられることを丸野氏も確認できたという。実際、これまで人間が担当していた通路清掃のある程度の部分をWhizに任せることで、作業員は空いた時間を別の業務に充てることができた。
「たとえば、1時間かけて通路をまず掃除し、それが終わったら次の1時間でテナントの掃除を行うスケジュールを考えた場合、Whizに通路清掃を任せれば人間は最初からすぐテナント掃除に入れるので、全体が1時間で済みます。業務効率が向上するのに加え、コストと見比べたうえでのメリットも明確になりました。Whizの清掃に立ち会った作業員からも『すぐにでも本格的に入れてほしい』という声が上がっていました」と丸野氏は証言する。
現在は、実証試験の結果から浮かんできたデータを蓄積し、改善点を検討しているところだ。このデータをもとにさらなる改良が施され、実際の本稼働へとつながっていく。 今後も、AIロボット以外の清掃機器の併用はもちろん続け、建物の用途や場所の性格に応じて適切な機器を使い分けていくという。コンパクトで小回りが利き、清掃ルートを記憶させれば自律走行で掃除をしてくれるWhizは、やはり通路での活用がメインになると現時点では考えている。
「導入後、意見をソフトバンクロボティクスにフィードバックしてさらなる技術の進歩を促し、将来的に機能とコストが見合うと判断できたときには、”機械は人間の補助”という現在のビル清掃の考え方自体が変わってくる可能性もあるでしょう。いずれにしても今回のWhizとの出会いは、当社の生き残り、あるいはこの業界自体の生き残りにつながっていくだろうと期待しています」と丸野氏は締めくくった。

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