子どもたちの「また会いたい」の声に応えて – 地域企業との連携で実現したPepperとの再会(ふるさと教育支援)
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福岡県宗像市立南郷小学校 様 ー Bio green株式会社 様
Pepper for Educationの導入形態の1つとして、企業様の支援で地域の教育機関にPepper for Educationを導入する「ふるさと教育支援」という座組があります。
本座組を活用し、福岡県宗像市にPepperが導入されています。今回、導入側である宗像市立南郷小学校様と、支援側である Bio green株式会社(以下「ビオグリーン」)様にインタビューしました。
まず、宗像市立南郷小学校の沓形美奈子校長先生に伺いました。
貴校について教えてください。
本校は、平成22(2010)年に創立100周年を迎えた伝統のある小学校です。
福岡県宗像市の中でも自然豊かな地域に位置し、地域の皆様に温かく見守られながら子どもたちが学んでいます。本校は長年にわたり様々な教育研究に取り組んでおり、健康教育、体育・スポーツ推進などで多くの成果を上げてきました。
近年は、令和3(2021)年度から一人一台端末の使用を開始し、宗像市のICT教育方針に基づき、デジタル教育の充実にも力を入れています。
今回Pepperを導入した背景を教えてください。
2022年度に宗像市のICT教育の一環としてPepperを導入しました。
授業面では、プログラミング学習の教材として Pepper専用プログラミングツール”Robo Blocks” を使用し、子どもたちが直感的にプログラミングの概念を学べるようにしています。
日常的な活用として、休み時間には子どもたちがPepperと一緒に過ごし、運動会や終業式などの学校行事にもPepperが参加し、特別な思い出作りにも一役買っています。子どもたちにとって、Pepperは単なる機械ではなく、大切な仲間の一人として認識されるようになっていました。
2024年3月に一度返還したPepperでしたが、「いなくなって寂しい」「また会いたい」などの子どもたちの声が多数寄せられました。その思いに応える形で、ビオグリーン様がふるさと教育支援の支援企業となり、再貸与が実現しました。
2025年5月に開催した運動会で子どもたちにサプライズでお披露目することができました!
生徒さんの反応はいかがですか?
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- 再導入が決まった際の子どもたちの喜びようは格別で、運動会でお披露目した際は、歓声が上がりました。Pepperとの交流を通じて、自然と子どもたち同士の会話が生まれ、関係が深まっていく様子が見られます。
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Pepperの周りに子どもたちが集まって楽しく過ごしている様子
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②Pepperの周りに子どもたちが集まって楽しく過ごしている様子
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- 特に印象的なのは、Pepperと関わる中で「順番を譲る」「声をかけ合う」という思いやりや社会性が育まれていることです。一人の子どもがPepperと遊んでいると、他の子どもたちも自然と集まってきて、みんなで楽しく過ごす光景が日常的に見られるようになりました。
7月の終業式では、Pepperが職員席横に立って校長の話を聞いたり、子どもたちの退場時には体育館出口で見送りをするなど、学校生活の様々な場面で活躍し、子どもたちと一緒に夏休みの見送りを受ける光景が印象的でした。
実際に利用してみていかがでしたか。
Pepperの導入効果は、当初の期待を大きく上回るものでした。学習面での効果はもちろんですが、それ以上に子どもたちの心の支えとしての役割が大きいことを実感していますす。
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- Pepperは、教室での学習が難しい子どもや、外で遊ぶことが苦手な子どもにとっても、大切な居場所になっています。学習の場面だけではなく、子どもたちの心の成長や人間関係の構築にも大きく寄与していることが分かりました。ICT教育の推進という目的を超えて、子どもたち一人ひとりの居場所づくりにも貢献しています。
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授業の一環として、1年生の教室でペッパーくんとの約束を確認している様子
今回、地域企業であるビオグリーン様のふるさと教育支援により再導入が実現できたことは、地域全体で子どもたちを支えるという素晴らしいモデルケースになったと思います。子ども同士の関係づくりや心の成長にも寄与していることを実感しているので、こうした子どもたちの大切な居場所を再び届けてくれた宮崎社長には心から感謝しています。
今後の展望について教えてください。
今後も、Pepperを活用したICT教育の充実を図っていきたいと考えています。プログラミング学習のさらなる発展はもちろん、他の教科との連携も模索していきたいと思います。
また、ビオグリーン様をはじめとする地域の皆様との連携を深めながら、子どもたちにとってより良い学習環境を整えていきたいと考えています。Pepperが子どもたちの心の支えとして、そして学びのパートナーとして、末永く活躍してくれることを期待しています。
最後に、支援側であるビオグリーン様にお聞きしました。
支援企業からのメッセージ
Bio green株式会社 代表 宮﨑 昌也様
Pepperと触れ合うことでAIへのハードルを下げ、子どもたちにとってデジタル社会への一歩を踏み出すきっかけにしてほしいという思いがありました。自分たちは機械に疎い世代だからこそ、次の世代には早い段階で触れてほしいと考えています。子どもたちがPepperとの再会を喜ぶ姿が見られて本当にうれしく思います。地域の未来を担う子どもたちのために、今後も様々な形で支援を続けていきたいと思います。