生成AIの学習にPepperを活用!
生徒と教員の心を掴む新鮮な授業で自発的な学習スタイルを実現

  • 大分県立情報科学高等学校 様

生成AIの学習にPepperを活用!​ 
生徒と教員の心を掴む新鮮な授業で自発的な学習スタイルを実現

貴校について教えてください。

情報科学高等学校は1998年に開校した大分の県立校で、現在は460名(2024年3月時点)の生徒が在籍しています。本校には、AIテクノロジー科、ビジネスソリューション科、デジタル創造科の3つの学部があり、生徒は情報科学や先端的技術など情報技術に焦点を当てて3年間学びます。

また、「課題研究を中心とした企業や地域の自治体との連携を深め、デザインシンキング等の手法を取り入れた課題解決型学習に取り組んでいること」が評価され、令和5年度の文部科学大臣優秀教職員の表彰を受けている学校です。

今回Pepperを授業に取り入れる事になった背景や期待を教えてください。

  • 元々、普段から協力支援をいただいている企業様の出資により、「ふるさと教育支援」*という制度を使ってPepperを1台導入しました。その後、効果が認められたので、自治体予算を使い大分県全体で7台に増やしました。当校では、2名の教員が80名の生徒に対してPepperを使い、週3コマの授業を行なっています。

    当校では年度当初から生成AIに関する様々な取り組みをしており、生徒の中には断片的にこんなものだよねという理解はありました。また、プロンプトをどう作るかという部分についても企業と連携して実施するなど試行錯誤をしていました。この中で、生成AIが特別なものではなくもっと身近なものとして腑に落ちるようにしたいという期待があり、今回は工業科の1年生に対して、目の前で動いてくれるPepperを活用することにしました。

授業の内容について詳しく教えてください。

2024年2月9日(金)に工業科の1年生10名に対して、「生成AIリテラシー教材『実践編』」のコンテンツと「ChatGPT機能が追加されたPepper」を活用した3コマの授業を行いました。

授業では様々なテーマを取り扱いましたが、中でも「文章生成AIの仕組みをゲームで体感しよう」というコーナーはとても盛り上がりました。これは疑似的にクラス全体をChatGPTに見立てて、特定の言葉の意味を考えて導くゲームです。
  • このコーナーでは、「二外(にがい)」という言葉がどんな言葉から導かれたのかというのを生徒たちに考えてもらい、「『苦い』の誤変換である」「二と外が一緒になって新たな言葉になった」など自発的に考えを巡らせていました。
  • 「プロンプトで回答を導き出そう」というコーナーでは、「富士山」「北岳」という指定した回答を箇条書きで表示させるにはどんなプロンプトを設定すべきかというお題を出し、そこから様々なトピックを扱って生徒たちの意見交換を促しました。
また、最終的には生徒がプロンプトを使って「あたなは学校の保健の先生です。生徒が頭痛になったので対処法を具体的に2つ考えて下さい」という設定をし、Pepperに喋ってもらうという発表も行いました。

授業を終えて学生の反応や学校としての手応えを教えてください。

教育をやっていて感じるのは、生徒が興味関心を持ってくれないとなかなか能動的に参加してもらえない、理解がなかなか進まないということです。

この点において、Pepperの教材は非常にわかりやすく、また意外性もあるので終始生徒の心を掴んだ授業進行ができたと感じています。
また、生成AIは通常テキストベースでの取り扱いになるかと思いますが、Pepperが音声を使って文章を読み上げてくれるので、発表時において生徒は読み上げる以外の発表に注力でき、聞き手も新鮮な気持ちで聞けると思いました。
  • [写真:大分県立情報科学高等学校 主幹教諭(2023年度) 堤先生にお話を伺いました]

  • 教材については、ソフトバンクロボティクスさんが準備してくれたマニュアルやワークシートが作り込まれていたので、教員が自走して授業を実施するだけでなく自らの体験談などを合間に挿入するなど自在性の高い授業が実現できました。生徒同士が試行錯誤しながら自発的な学習スタイルが提供できるので、教員としてもアドレナリンが出るくらい新鮮で良い授業ができました(笑)。
  • 今後は、生成AIの知識を早い段階で腹落ちしてもらえるように4月、5月など早い時期の授業にて活用したいと思いました。その他の教員でも等しく授業が提供できるようにカリキュラムを作っていきたいと思います。


*「ふるさと教育支援」:自治体や企業様の支援で、学校などの教育機関にPepperを導入する仕組みです。自治体や学校・教育機関が持つ「プログラミングやAI教育の予算不足」「企業と連携した教育活動の実現」という課題の解決と、企業側の「SDGsの取り組み推進」「地域社会貢献」というニーズをつなげる役割をはたします。詳しくはこちら
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