アフターコロナを見据えて2台運用
人とロボットとの共存・共栄の発展に向けて
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八芳園 様

東京・港区の高台に位置する白金台。そこにある結婚式場「八芳園」内のレストラン「Thrush cafe」では、配膳・運搬ロボット「Servi(サービィ)」が2台導入されています。
アフターコロナで増える結婚式や披露宴において、宴会場でServiを運用するためには今どういった取り組みをするべきなのか。先々を見据えてレストランでの配膳や下げ膳から運用を始め、Servi複数台運用のノウハウを蓄積しています。
株式会社 八芳園の工藤一也氏に、導入を決めた経緯と今後のビジョンについて伺いました。
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【お店紹介】
八芳園
1万2000坪の敷地内に庭園がある結婚式場。歴史的な建物や遺物がバランスよく調和しており、庭園や建物の窓からは四季折々の美しい景色が楽しめる。
【お話を伺った方】
株式会社八芳園
プロモーション&デザイン事業部 マネージャー
工藤 一也 氏
課題
- ①大型イベントでの、一斉配膳・一斉会食は三密になる状況でもあるため感染拡大の危険性。
- ②アフターコロナを見据えた改革を行う必要があると感じていた。
効果
- ①Serviの導入で、時差・分散少人数型会食を提案し、お客さまにより安心してお楽しみいただけるようになった。
- ②アフターコロナを見据えてServiを2台導入。今のうちから複数台を活用し、ノウハウを蓄積させ、ゆくゆくは宴会場での活用も視野に入れて運用。
お客さまが安心できる環境を作るために導入
2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大は、業界全体に大きな影響を与えたかと思います。
工藤氏
はい。特に披露宴では、以前は80~100名規模で開催されていましたが現在は平均で40~50名と半減しています。
人が集まる場面では多くの制限が設けられました。
工藤氏
主に、ソーシャルディスタンスの確保、三密(密集・密接・密閉)の回避、非接触や分散の推奨ですね。
宴会をメインとするバンケットビジネスにおいては、密になる状況が当たり前だったため、これらの制限の中では従来の運営方法が成り立たなくなっています。
また、コロナ禍が終息しても、急に以前のように戻ることはなくアフターコロナとして影響は残ると考えていますので、今のうちから改革を行うことが必要です。
なぜロボットに着目されたのでしょうか?
工藤氏
数々の制限をクリアしつつ、コロナ禍でご提供が難しくなった体験に変わるサービスは何か、お客さまが安心して来られるような環境作りのためには何が必要か。それを考えたとき、1つの可能性として配膳ロボットにたどり着きました。
たとえば、従来の大型イベントにおける料理のご提供方法では、お客さまが一斉に食べ始めることを前提としておりました。
どのような課題があったのでしょうか。
工藤氏
大型イベントでは、お客さまの来場時間が異なるため、すべてのお客さまに同じコースをお召しあがりいただくためには、入念な準備が必要となります。
それだけの準備をするためには、その分の人件費もかかり、お客さまをお待ちしている間は労働生産性も下がるため、働くスタッフに大きな負荷がかかります。
また、一斉配膳・一斉会食は密になる状況でもあるため、感染拡大の危険性もあります。
それらを解消するため、ロボットの導入を検討されたのですね。
工藤氏
はい、私たちはロボットを活用した時差・分散少人数型会食を提案しています。料理をご提供するタイミングを各テーブルに分散すれば、より安心してお楽しみいただけるようになります。
レイアウトの可変がある場でも、使ってみれば他にも可能性が広がるのではないかと思い、Serviの導入を決めました。
アフターコロナを見据えて、Serviを2台運用
最初にServiをご覧になったときの印象はいかがでしたか?
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工藤氏
滑らかに動いたり障害物を避けたりしたので、全体的にスマートな印象でした。
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レストランでServiが2台稼働。各機で担当するエリアを分けている
現在、レストランではServiを2台、配膳や下げ膳での運用をされていますね。
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各Serviに対応したタブレットで遠隔操作ができる
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工藤氏
ゆくゆくは披露宴などで使う宴会場での活用を視野に入れていますが、まずは式場内のレストランでの活用から始めています。
アフターコロナで宴会場の利用が以前と同じ程度まで戻ったとき、広さと人数を考えるとServi1台の対応では限界があります。
そのため、 今のうちから複数台で活用して、どのようにサービスに取り入れていくのか、今後何に注意したらいいのか、ノウハウを蓄積しています。
また、タブレットで遠隔操作もできますので、複数台を管理するのも便利ですね。1人で2台を管理する体制も合わせて検証を進めています。
人とロボットの共存・共栄における「地上戦」と「空中戦」
Serviを導入したことで、期待されていることを教えてください。
工藤氏
人とロボットの共存・共栄を実現するための「地上戦」と「空中戦」が一段階進んだなと思っています。
地上戦というのはどのような意味でしょうか?
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工藤氏
お客さまへのサービスについてです。
ロボットの導入と同時に、人でしかできないサービスとは何か、そしてお客さまに喜んでいただくサービスとは何か、改めてスタッフ全員で見つめ直すことができています。
たとえば、記念日にレストランでお祝いのプレートをご提供するとき、単に配膳するだけであればロボットでもできます。しかし、そういった特別なときこそ、人によるサービスをする。さらに配膳の時間がなくなったことで、サービスの向上に注力することができる。
Serviを配膳と下げ膳で運用していくことで、お越しになるお客さまのサービス満足度を向上させつつ、ロボットとの共存・共栄が実現できると思っています。 -
記念日やデートシーンなどの特別な場面では、人によるサービスを重視
空中戦というのはいかがでしょうか。
最新技術を取り入れた新しいサービス業態の実現についてです。
最新鋭のロボットを導入しても、それだけですべてが解決するわけではありません。
「ここまでしかできないからダメ」ではなく、「こうなったらいいよね」を考える。そして「そのためにはこうしたら解決できる」と、目指すべき姿から逆算して考えていくことは、人にしかできないことです。
目指すべき姿というのはどのようなものでしょうか?
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今後を見据えて、配膳だけでなく下げ膳での活用にも取り組んでいる
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工藤氏
未来の交流を見据えて、イベントやスペースデザイン、料理配膳のプロデュースなどを行い、八芳園をショールームとして人の集い方のスタイルを変えていく。そして交流の新たなオペレーションを世に示していきたい、という思いがあります。
今だけを乗り切って終わりではなく、先々のビジョンを見据えて、チャレンジを続けていきたいと思っています。
さまざまなお話をしていただき、本日はありがとうございました。
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