清掃品質の向上とIoT活用を見据えてWhizを導入
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渋谷ソラスタ 様
東急グループの最新鋭ビル「渋谷ソラスタ」にWhiz4台が導入された理由と運用体制に迫る
渋谷ソラスタ
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-21-1
管理:株式会社東急コミュニティー
〒158-8509 東京都世田谷区用賀4-10-1 世田谷ビジネススクエア タワー
〈事業内容〉
マンションやビル、施設、公共施設、公営住宅の管理運営から工事までをトータルサポートする総合不動産管理会社。企業ビジョン“TOKYU COMMUNITY WAY”を掲げ、お客様への「安心」「安全・快適」「上質」なサービスの提供により、未来価値を創造している。
総合不動産管理会社・株式会社東急コミュニティーの管理物件である渋谷ソラスタ内で4台のWhizが稼働中だ。
同社ビル第一事業部 渋谷ビル運営部の渡辺氏にソフトバンクロボティクスの除菌清掃ロボット「Whiz」導入ポイントや実際の運用などについて伺った。
人材不足への対処とIoT活用を検討するなかでWhizと出会う
株式会社東急コミュニティーは1970年の設立。東急グループの一員として、長年培ってきた経験と技術を駆使し、マンションやビル、施設、公共施設、公営住宅の管理運営から工事までをトータルでサポートしてきた。
今回、Whizが4台導入された渋谷ソラスタは2019年3月29日竣工のオフィスビル。同ビルではオフィスビルに求められる高い設備スペックや BCP (Business Continuity Plan)機能はもちろんのこと、ワーカーのサードプレイスとしても利用可能な充実した共用スペースを多く設置することで、ワーカーの知的生産性の高い働き方を促す仕様になっている。また、ワーカーの利便性向上と働き方改革サポートのために、さまざまなテクノロジーを取り入れた IoT サービスが導入された。さらに同ビルでは積極的に植物を取り入れることにより、ワーカーの業務効率や生産性の向上、コミュニケーションの活性化を目指す「Green Work Style」の推進も行っているという。
東急不動産本社が入居する渋谷ソラスタは東急グループにおいて、フラッグシップともいえるビルだ。グループにおいて重要な位置を占める渋谷ソラスタにWhizの導入が決まった。それは「人材不足」と「IoT活用」への期待が込められている。まずは「人材不足」の課題について、渡辺氏が説明してくれた。
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株式会社東急コミュニティー
ビル第一事業部 渋谷ビル運営部 渋谷ソラスタ
渡辺 央樹 氏
「清掃員を募集しても採用できない状態が続いています。特に渋谷のような地域はその傾向が顕著です。都市部を中心に採用活動が活発化し、結果として、清掃という仕事が選ばれにくくなっているのでしょう」人材の採用難が起こるなか、最低賃金の引き上げによって清掃員一人当たりの人件費が大幅に増加しているのだ。こうしたなかで、Whizを活用して清掃に関する清掃員の作業効率と品質の向上を試みたのである。
もうひとつの目的である「IoT活用」についても伺った。「渋谷ソラスタはさまざまなIoTサービスを実装した最新鋭ビルです。竣工前から清掃においてもIoTを使った取り組みが何かできないか検討するなかでWhizを知り、IoT活用を見据え導入することになったのです」
高性能センサーを装備
人とぶつからない安全性を高評価
現在、業務用の清掃ロボットはさまざまなタイプが販売されている。大きさやスペックなど多種多様なため、選びあぐねている企業は多いだろう。こうしたなかで、どのような点に注目して清掃ロボットを比較検討したのだろうか。
「最も重視したのは操作性です。具体的には清掃員が現場で使いやすい仕様になっていることですね。清掃ロボットにおいて操作性のネックとなるのはマッピングです。Whizは他社のものと比較してティーチングという方式でマッピングができ、とても簡単なので現場ですぐに使えると確信しました。私も実際にティーチングを行ったのですが、Whizを押して一度清掃するだけでマッピングできるのは本当に驚きました。他社のものは図面を清掃ロボットに読み込ませることが必要で、現場でマッピングを変えようとしても簡単に行うことは難しく、専門のエンジニアを呼んでマッピングを再調整しなければなりません。Whizと違って時間と手間がかかるのです」
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また、高い安全性も決め手になった。同ビルにおいては人が頻繁に往来するエントランスホールでの活用を考えていただけに、安全性は導入に至るためのクリアすべき必須事項だった。「Whizはセンサーによって人を感知して避けたり、止まったりします。実は約3年前に他社製品の導入を検討したのですが、それに比べて安全性は格段に高い。感知の精度がとても高く実用的だと実感し、“これなら間違いない”と導入を決断しました」
清掃時間を10分短縮
Whizと人の協働体制を構築中
現在、同ビルでは4台のWhizが稼働中だ。Whizの担当エリアは2Fのエントランスホールとオフィス共用部の廊下である。
「清掃の時間は10時と15時のそれぞれ1回ずつ。たいてい人がいる時間ですが、人にぶつかるなどのトラブルは起きていません。むしろ、稼働させているとテナントの方から喜びの声をいただくことが多いですね。“かわいらしいロボットが入った”、“最新鋭のロボットを導入したことが評価できる”など、ありがたいお言葉をいただいています」IoT活用の最新鋭ビルとしてWhizを導入したことがプラスに受け止められているということだろう。エントランスホールでWhizを稼働させながら清掃を行った場合、清掃時間は概ね20分前後だった。「人だけで行った場合、30分前後かかるでしょうから10分前後は作業時間を短縮できていると考えています。削減できた時間はトイレ清掃ほか、別の作業に充てるなどして、作業効率の向上を図っています」
このようにWhizは清掃の生産性の向上に貢献しているが、清掃はWhiz単独で行っているわけではない。「清掃作業は人とWhizで協働しています。人でないと清掃ができないエリアは人が行い、Whizが得意な人では手間のかかる広いエリアはWhizが清掃をしています」渡辺氏は清掃ロボットだからこそできるメリットについて「決まった広いエリアを一定の品質で清掃できること」と話す。Whizによって一定のエリアが品質を保って清掃されていれば、人の動ける範囲も広がり、人のやるべきことが明確になるということだろう。同ビルでは、Whizを使ったうえで清掃作業プロセスの再構築を試みているのだ。
さらなる活躍のフィールドを広げるWhizのポテンシャルを検証する
約半年間稼働させて安全性や一定の清掃品質が担保されていることが明確になったことから同ビルでの取り組みをほかの施設にも広げていく方針だ。引き続きWhizの持つバキューム力の検証も継続して行う予定だ。
「バキューム力が人と同等もしくはそれ以上であれば活用のフィールドが広がっていくと考えています。現状、エントランスホールのような広い場所で活用できることはわかりましたが、それだけではもったいない。もっといろいろな場所で活躍できるポテンシャルがWhizにあると考えています」
一方、清掃ロボットの導入となれば清掃員から「私たちの仕事が奪われる」といった懸念の声が出がちだが、実際は「“愛着が湧いてきた”、“Whizは仕事のパートナーだ”など、ポジティブな評価が出てきている」という。
最後にWhizへの期待を渡辺氏は語る。「さまざまな検証を通して、Whizの活用領域を明らかにしたい。そのうえで自社に合ったオリジナルな協働の姿を作り上げ、さらなる清掃品質の向上と人材不足の解消を実現したいですね」
現在も東急グループは、渋谷エリアに代表されるようなIoTを活用し最新鋭ビルの建設を多数手がけている。今後は、オフィスビルはもちろん、商業施設や複合施設など、さまざまな施設においてWhizと出会う機会が増えていくだろう。