外食産業における人材不足の問題はコロナ前から自明だった。そこにコロナ禍による業界の苦境から離職率があがり、さらに経営難からの解雇などが加わった。これらがジャブとなり、外出自粛等が解除された後の人材確保に苦戦する事業者が、大手から個店まで今なお多い。そこで今回はコミュニケーションと配膳ロボット導入の2つのセグメントから、DXを用いたヒューマンリソースの課題解消について考察する。
配膳・運搬ロボット“Servi”導入でお客さまとの時間が質のよいものに
お客さまサービスの一貫として、Serviアイリスエディション(以下、Servi)を導入している成功店、「SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(以下SVB)」の事例について、マーケティングマネージャーの野口伸也氏に伺った。
「当店では1階のフロアで、パントリーからフロア内に数か所設置しているステーションとの往来は、フードの上げ膳、下膳用に“Servi”を活用しています。フロア面積が広いため、お客さまのテーブルとパントリーの往復はスタッフにとって時間を取られる作業だったので、追加オーダーをはじめお客さまへの接客時間に影響していたと感じます。オペレーションをサポートし効率化するツールとして“Servi”を導入した結果、スタッフのフロア滞在時間が増え、お客さまとのコミュニケーションやニーズのキャッチアップ、サービス品質の向上につながっていると感じています。現状2台、導入しており、操作も難しくない上、手動でも動かせる仕様です。週末や夜のピークタイムでも、“Servi”があることでサービス重視の接客が実現できており、導入は正解だったと感じています」。
お客さまのポジティブな受け止め
ところでSVBはオシャレな店舗が多い代官山でも、センスのいいお店として多々メディアにも取り上げられ、感度の高いお客さまが多い店として有名だ。フロアを“Servi”が行き来することに対するお客さまの反応はどのようなものだったのだろうか?
「導入前、不安がなかったといえば嘘になるのですが、実際に導入してみたら、常連の方をはじめとする多くのお客さまが写真や動画をとってSNSにアップしてくださったり、“Servi”同士が道を譲ったり、ぶつからないように作動する様をご覧になって、『結構、賢いね!』だとか、『けなげに頑張ってるね!』といったお声がけやアンケートへの記入を多くいただき、不安が杞憂だったと感じています。こういったお声をいただいているので、現状は上げ膳・下膳といった機能での活躍ですが、たとえばPOPをつけたり、SVBのTシャツを着せるなど、私共の広告塔となるような働きもしてもらえたらと、現在いろいろと企画しているところです」。
※HOTERES 2023年1月6-13日号特集P68〜掲載
今回活躍したServi
Servi
業態を選ばないシンプルなデザインで、小回り抜群。どこからでも取りやすい360度丸形トレイに加えて、重量センサーで料理の受け取りを自動で検知します。
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